日本のイラスト創世記


日本のイラストの歴史は長く、江戸時代の歌川広重を始めとする浮世絵は当時の西洋絵画にも影響を与えている。有名な画家であるゴッホも、今まで西洋になかった日本的な美的感覚に影響を受けた。日本におけるイラストという言葉は戦後になってから定着し、早川良雄や粟津潔、灘本唯人らが日本のイラストの基礎を気づいた。また、児童書のような絵本が成立したのは1950年代半ばで、1960年頃からはグラフィックデザイナーとイラスレーターの分業が始まった。元々日本でも広く流通していた挿絵というものが紙媒体で挿絵の需要が写真に置き換えられていき、文章に則した挿絵というニュアンスを越えて独立した表現としてイラストという分野が確立されていった。かつてグラフィックデザイナーから漫画家まで受け持っていたイラストレーターがイラストとして独立し始めたのが1970年以降から。日本のデザイン業界と高度経済成長などの経済力によってマスメディアが支えられてきたことが背景にある。